玄箱で遊ぶ:Debian化


現在運用中のサーバには、バックアップ機がありません。
何かトラブルがあってサーバの運転を停止しなければならなくなった場合の代替機として玄箱HGを用意しました。
この玄箱にDebianを導入し、代替機を作成します。

玄箱って?


玄人志向さんから発売されているNAS(Network Attached Storage)で、本来はファイルサーバを目的にしています。
筆者は大阪・日本橋のある店で \18,000 で購入しました。
インターネットで調査した最安値が \17,980 だったので、まずまずの購入価格ではないでしょうか。

ハードディスク(HDD)は、内蔵しておらず、ユーザが必要な容量のHDDを選んで取り付ける必要があります。
駆動部を持つHDDは、PC部品の中でも最も壊れやすい部品の一つです。
それをユーザの責任下に置くのですから、うまい商売のやり方です(考え過ぎか!?)。

玄箱の組み立て


筆者の場合、30GByte(UATA-100)のHDDが、余っていました。
HDDを取り付け方法は添付の資料に書かれています。
他のサイトで玄箱へのHDD取り付け方法を紹介しているサイトもあります。
何だか簡単に取り付けられるような事が書いてありましたが、筆者は苦労しました。
そもそもこのような工作を、酎ハイ片手に行うことが間違っていたとも言えるのですが・・・

前面パネルに電源やHDDアクセス用に光る部分があります。
この仕組みのためのプラスティックの爪のような部品があります。
その部品を折ってしまいました。
筆者の玄箱は、電源を入れてもHDDの音が静かに唸っているのみです(^^;;;

この折れた部品だけ手に入れることは、可能なのだろうか???

玄箱の動作確認


失敗はありましたが、HDDを取り付けたので、添付されているソフトウェアの動作確認をします。
Debianのインストールを試みてトラブルが発生した場合、玄箱の初期不良なのかか、Debianのインストールミスかの切り分けが難しくなります。
まずは、添付ソフトウェアで正常動作するかを確認しておいた方が安心です。
  1. 玄箱にLANケーブルを繋げインストール用PCとLANで接続します。
  2. 玄箱の電源を入れます。
  3. インストール用PCで付属CD-ROMの KuroBoxSetup.exe を起動させます。
  4. KuroBoxSetup.exe は、ネットワークに接続された玄箱を探しに行き、発見したらその情報を表示してセットアップ開始確認待ちになります。
  5. [セットアップ開始]ボタンを押すと、HDDの初期化処理が始まります。
  6. その後は、初期設定が終わるのを待ち、ダイアログが出れば[OK]ボタンを押します。
これで、HDDの初期化は終了です。

この状態で、sambaが起動しているので、Windowsから玄箱が見えます。
ワークグループ名 WORKGROUP
ホスト名 KURO-BOX
ホスト名でPCを検索してください。

Windowsからコンピュータ名=KURO-BOX(玄箱)が見えることを確認できれば、ハードウェア的な不良は、ないと考えられます。

telnetd や ftpd も起動してます。
それぞれへログインし、ファイル操作をすることでも動作確認が可能です。

それでは、いよいよ Debian のインストールです。

Debianのインストール


玄箱Debian化イメージ を玄箱うぉううぉう♪さんのところからダウンロードします。
玄箱うぉううぉう♪さんは、再配布を希望されているので、ヨッパサーバからもダウンロードできるようにしておきます。

玄箱うぉううぉう♪さんから拝借
debian_2004_12_26_dist.tgz
install_debian.txt
install_debian_standalone.txt

玄箱へrootでログインし、EMモード(HDD初期化前の状態)に変更します。
その後rebootして、EMモードでの作業を行います。
# /usr/bin/write_ng > /dev/fl3 ←玄箱をEMモードへ
# reboot  ←再起動


# KURO-BOX-EM login: root ←再起動後rootでログイン
# Password:


HDDを初期化します。
HDDの内容は、完全に削除されるので、ご注意を!!!
# /sbin/mfdisk -e /dev/hda  ←HDD(デバイス)の初期化
delete partition 1
delete partition 2
delete partition 3
create partitions...
deleate all partitions.
The partition table has been altered!

Syncing disks.

# sh /sbin/mkfilesystem.sh ←パーティションの初期化
/dev/hda1 can't mount
/dev/hda3 can't mount
creating partitions...
create partitions...
deleate all partitions.
The partition table has been altered!

Syncing disks.
create partitions...
limit = 4192964
start = 63, stop(limit) = 4192964
limit = 4707044
start = 4192965, stop(limit) = 4707044
limit = 60018839
start = 4707045, stop(limit) = 60018839
The partition table has been altered!

Syncing disks.
Setting up swapspace version 1, size = 263204864 bytes
mke2fs 1.22, 22-Jun-2001 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09
Filesystem label=
OS type: Linux
Block size=4096 (log=2)
Fragment size=4096 (log=2)
262144 inodes, 524112 blocks
26205 blocks (5.00%) reserved for the super user
First data block=0
16 block groups
32768 blocks per group, 32768 fragments per group
16384 inodes per group
Superblock backups stored on blocks:
32768, 98304, 163840, 229376, 294912

Writing inode tables: done
Creating journal (8192 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done

This filesystem will be automatically checked every 32 mounts or
180 days, whichever comes first. Use tune2fs -c or -i to override.
/dev/hda1 formart completed.
mke2fs 1.22, 22-Jun-2001 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09
Filesystem label=
OS type: Linux
Block size=4096 (log=2)
Fragment size=4096 (log=2)
3457024 inodes, 6913974 blocks
0 blocks (0.00%) reserved for the super user
First data block=0
211 block groups
32768 blocks per group, 32768 fragments per group
16384 inodes per group
Superblock backups stored on blocks:
32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208,
4096000

Writing inode tables: done
Creating journal (8192 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done

This filesystem will be automatically checked every 37 mounts or
180 days, whichever comes first. Use tune2fs -c or -i to override.
/dev/hda3 formart completed.

ftpで接続して玄箱Debian化イメージを/mnt2/share/へ転送 します。
/mntに移動して、転送した玄箱Debian化イメージを展開します。
# cd /mnt
# tar zxvf /mnt2/share/debian_2004_12_26_dist.tgz

EMモードを抜けてreboot します。
# /usr/bin/write_ok ←玄箱をEMモードから抜ける
# reboot  ←再起動
玄箱は、下記に示したデフォルトのネットワーク設定で再起動します。
IPAddr 192.168.0.100
GW 192.168.0.1
DNS 192.168.0.1

筆者のLAN環境では、玄箱うぉううぉう♪さん提供のデフォルトで、IPアドレスの衝突は発生しません。
その他の設定もデフォルトで筆者のネットワーク環境に整合します。

もし、あなたのLANにIPアドレスが192.168.0.100を持つ機器があったり、その他デフォルト設定に不都合があれば、ネットワーク設定を適切に変更する必要があります。

編集しなければならないファイルは、下記のファイルです。

/mnt/etc/network/interfaces

その他の設定は、後からどうにでもなります。
このファイルの設定が、あなたの環境と整合しなければ、最悪、最初からやり直す事になります。

Debianの起動確認

reboot後telnetからアカウント tmp-kun でログインできる事を確認します。
時計の設定はしていないので、デタラメな日時を表示しています。
Debian GNU/Linux 3.0 KURO-BOX
KURO-BOX login: tmp-kun ←tmp-kunでログイン
Password:
Last login: Sun Oct 31 14:09:08 2004 from 192.168.0.5 on pts/0
Linux KURO-BOX 2.4.17_mvl21 #24 2004年 10月 19日 火曜日 17:17:03 JST ppc unknown

Most of the programs included with the Debian GNU/Linux system are
freely redistributable; the exact distribution terms for each program
are described in the individual files in /usr/share/doc/*/copyright

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.
tmp-kun@KURO-BOX:~$ su ←rootでログイン
Password:
KURO-BOX:/home/tmp-kun# uname -a ←カーネルバージョンの表示
Linux KURO-BOX 2.4.17_mvl21 #24 2004年 10月 19日 火曜日 17:17:03 JST ppc unknown
KURO-BOX:/home/tmp-kun#

Debian GNU/Linux 3.0(woody)が起動しているのが分かります。
カーネルは2.4系が使われています。

外部との接続確認のために、woodyを最新にします。
お約束の次のコマンドを実行します。
# apt-get update
# apt-get -u upgrade ←-u は詳細情報表示用パラメータ
筆者の環境では、約15分程度で更新が終了しました。

ここまでくれば、しめたもの!
って言っても、殆ど、玄箱うぉううぉう♪さんの指示通りに操作しただけなんですが。



次は、WoodyをSargeに変更し、現在公開中のサーバとの整合をとります。