OSのインストール

サーバ用のOSをインストールします。

OSの選定


サーバを構築するには、サーバ用のOSが必要です。
筆者が、サーバに使用するPCは、DOS/V機です。
DOS/V機をサーバにする場合のOSとしての選択肢は、実質、次の3点です
  • Windows Server
  • FreeBSD
  • Linux
Windowsは、有償のため貧乏サーバには不向きです。
そうなると無料で配布されているFreeBSDかLinuxになります。
どちらでもいいと思いますが、情報入手の容易さからLinuxを選択しました。

Linuxとはカーネルのプログラムを指しており、それだけでは、何の役にも立ちません。
カーネルの上で動くアプリケーションが必要です。
このアプリケーションが、メールの送受信やウェブの公開を担っているのです。
これらLinuxとアプリケーションをインストールするために、ディストリビューションを選定しなければなりません。
ディストリビューションとは、Linux(カーネル)とアプリケーションをまとめてインストールできるようにしたパッケージ群です。

ディストリビューションには、数多くの種類があります。
その中から私は、Debianを選択しました。
選択の理由は、完全にフリー(厳密にはフリーと言う言葉は不適切ですが・・)だからです。
ここ(http://www.jp.debian.org/intro/about)を見てもらえれば、debianの思想が分かると思います。
そして、私もこの恩恵にあずかろうと考えました。


バージョンの選択


Debianには3つのバージョンがあります。

以下、Debianプロジェクト(http://www.jp.debian.org/releases/)からの引用

安定版 (stable)
「安定版」ディストリビューションは、 公式リリースされた Debian ディストリビューションの最新版です。

テスト版 (testing)
「テスト版」ディストリビューションは、「安定版」に取り入れられるのを 待ってはいるものの、まだ「安定版」リリースに受け入れられていないパッケージを 含んでいます。このディストリビューションを使う主な長所は、より新しいバージョン のソフトウェアを収録しているということです。不都合なのは、それが完全にテスト されなくて、Debian セキュリティチームから公式のサポートがないということです。

不安定版 (unstable)
「不安定版」ディストリビューションでは、 Debian の開発が活発に行なわれています。 このディストリビューションは通常、 開発者や多少の危険を厭わない方に利用されています。

種 別 コード名
安定版 (stable) lenny
テスト版 (testing) squeeze
不安定版 (unstable) sid
この3つの中からインストールするバージョンを選ばなければなりません
sidは開発者用なので対象から除外します。
lennyかsqueezeのどちらかを選択します。
安定性を選ぶならlenny、新しいことにチャレンジしたいのであればsqueezeなるでしょう!
筆者は、安定性を重視したいためlennyを選びました。

インストール


筆者がインストールするPCのスペックは下記の通りです。
CPU Celeron-900MHz
HDD 8GByte+4GByte
メモリ 256MByte
目的にもよるのでしょうが、これと言った目的のない筆者にとっては十分なスペックです。

サーバはLinuxですが、管理はWindowsからのリモート管理で行います。
なぜならば、テキストエディッター等、Windowsのアプリケーションを使い慣れているからです。
従って、サーバのユーザーインターフェースは必要最小限とします。
具体的には、グラフィック等のサーバ本来の機能に関係の無いアプリケーションはインストールしません。
この方針に従って、インストールを開始します。

インストール用CDの作成


インストールに必要なCDイメージ(isoファイル)を下記からダウンロードします。
http://www.jp.debian.org/CD/netinst/
20010/2/14現在のファイル名:debian-504-i386-netinst.iso

CDライティングソフトを利用し、上記isoファイルをCDに書き込みます。
インストールCDの完成です

インストールの開始


  1. インストールCDをインストール先PCのCDドライブに入れて再起動します。
  2. インストーラーのメニューが表示されます。
    下記を上下カーソルキーを動かしインストール方法を選択します
    • Install
    • 64bit install
    • Graphical install
    • 64bit Graphical install
    • Advanced option
    • help
    筆者は、Installを選択して、Enterキーを押しました
  3. 言語選択のメニューが表示されます
    得意な言語を選んでください(通常は日本語かと・・)。
  4. キーボーの選択メニューが表示されます
    キーボードの種類を選択してください。
    筆者は日本(106)を選択しました
  5. インストーラーはネットワーク環境を調査します
    筆者の環境は、DHCPサーバ(ルータ)が稼動しています。
    インストーラーは、DHCP環境でのネットワーク設定を行います。
  6. ネットワークの設定
    ホスト名の入力画面になります。
    この名前は、自由に付けてかまいません。
    ホスト名を入力してEnterキーを押してください。
  7. ドメイン名の入力画面になります。
    筆者は、無料のドメイン名 alk..dip.jp を取得しています。
    alk..dip.jpを入力してEnterキーを押しました。
    もし、ドメイン名を持っていなければとりあえず、空欄のままでも構いません
  8. 次はディスクのパーティショニングの設定です。
    筆者は、手動で設定を行いました。
    慣れていない人は以下の手順で設定しても特に問題はありません
    ディスク全体を使う
    すべてのファイルを一つのパーティションに
    パーティショニングの終了とディスクへの変更の書き込み

  9. ディスクのパーティショニングが終わればベースシステムのインストールが始まります。
    インストールが終わるまでしばらくお待ちください。
  10. ベースシステムのインストールが終わるとrootのパスワードの設定です。
    パスワードを入力してください。
    確認のため、再度パスワードを聞いてきます。
    最初に入力したパスワードと同じものを入力してください。
  11. ユーザのアカウントの設定が始まります。
    まずは、フルネームを入力します。
    次に、アカウントのユーザ名を入力します。
    最後に、パスワードを入力(2回)し、設定完了です。
  12. debianアーカイブミラーの設置国を選択します。
    ここは、日本でいいでしょう。
  13. 次に、日本国内に設置されているアーカイブミラー一覧が表示されます。
    適当と思われるものを選択してください。
    筆者は、メニューが推薦している ftp.jp.debian.org を選択しました
  14. proxyの入力画面になります。
    何も入力せずにEnterキーを押します。
    proxy環境の人も居るかも知れませんが、そのような環境下の人は、このページは参考にしないでしょう。
  15. debian利用調査に参加するかどうかの確認画面が表示されます。
    私はデフォルトのまま「いいえ」で次に進みました。
  16. ソフトウェアの選択画面が表示されます。
    デフォルトでは[デスクトップ環境]、[標準システム]の2つが選択されています。
    筆者は、その両方のチェックをはずし、とりあえず最低限必要なシステムをインストールするようにしました。
    後々必要なソフトウェアは、その都度インストールする方針を取ります。
  17. GRUBの設定画面になります
    debian以外のOSは入れていないので[はい]で次に進みます。
  18. インストールの完了です。
    CDを取り出し[続ける]を選択し、Enterを押してください
    リブートからdebianが起動します。
これで、必要最低限のDebian Linuxシステムが稼動したことになります。

ネットワーク環境の再設定


インストールは、ネットワークをdhcp設定で行いました。
しかし、前にも説明したように、サーバは固定IPを割り当てる必要があります。
今回はルータのDMZを192.168.0.140に設定したので、このサーバのIPアドレスを192.168.0.140に固定します。
debianのネットワークの設定ファイルは、/etc/network/のinterfacesに記述されています。

rootでログインしinterfacesファイルを編集します。
編集用のテキストエディッタはviを使いました。
(viの使い方は、他で調べてください)

変更前と変更後の内容は以下の通りです。
(#で始まる行はコメントなので削除しています)



コンソールでの日本語表示が化ける


調査した結果、回避できない(仕様?)そうです。
http://lists.debian.or.jp/debian-users/200410/msg00010.html を参照)
X等グラフィカルな環境を入れる場合あまり問題にはならないようですが、本サーバにGUI環境を導入するつもりはありません。

筆者は、コンソールから直接操作することは考えておらず、Windowsからのリモート管理をメインに考えています。
エディッター等、慣れたものを使えますからね。

したがって、先ず初めに、リモート管理に必要なSSHをインストールします。
ただ、文字化けが起こると見にくいので、一時的に英語環境にして、SSHをインストールします

#export LANG=C ←英語モードの設定
#apt-get install ssh ←sshのインストール

sshのインストールが終われば、サーバを再起動させます。



更新日:2009/11/2